第17話「ダニーさんのMCデビュー」【元ネタ解説】

読みもの

 

 

ここではネタばれというかネタばらしとして、マンガの中で使っている元ネタについてちょっとお話しします。今回は第17話「ダニーさんのMCデビュー」です。

 

 

 

Ladies & Gentlemen, Its Star Time…!

 

 

マント・ショウだけでなくショウのMCも担当。観客を煽るダニー・レイのエピソードを元にしました

 

 

ジェームス・ブラウン氏のショウを見世物として彩る大役を仰せつかっているのが、ダニー・レイ(本名ダニエル・ブラウン・レイ)その人。

 

 

 

すでに【ネタばれ】第5話「ダニーさんのマント・ショウ」で登場した彼ですが、そのマント・ショウと双璧をなす彼の奥義こそ、今回のマンガの元ネタとなった「MC」です。※MCとはMaster of Ceremonyの略で、主に司会のこと。

 

 

 

ダニー・レイといえばMC。ショウのオープニングにあたってジェームス・ブラウンの登場を知らせる名口調は、このへんでもご覧になれます。以下の動画4分20秒あたりから。

 

 

 

2014年12月24日にBS TBSで放映された「セックス・マシーン特集」では、ダニー氏のインタビューのもようも。そこで彼は「ブラウン氏は、何故ショウで汗をかいてないのかと叱咤してきた」という極悪エピソードを披露しました。

 

 

 

それを見た私は「オープニングMCとマントがメインの役目なのに汗をかけとはひでえ上司だ」と思ったものでした。

 

 

トラブルに負けず、2014年は来日も!

 

 

そんな彼の人生ですが、最近はJB生存時よりもハードな生活を強いられているようです。

 

 

 

ジェームス・ブラウン氏の死後、ショウの機会に恵まれずに経済的な困窮に瀕していた彼は2007年、8カ月にわたるローン支払いの滞納で家は競売にかけられ、なおも残債や多額の税金に苦しめられていることをメディアのインタビューで吐露しています。

 

 

 

さらに2009年には、リッチモンドでよく知られたドラッグの取引場所に83年製のリンカーン・タウンカーで乗り付けたところを警察に目撃され、胸ポケットから0.2グラムのコカインが出てきたために逮捕されてしまいました。このときは所持金がなく保釈金を払えなかったために長いこと留置されてしまったそうです。

 

 

 

それから5年後の2014年に二度の来日を果たし、MCのご健在ぶりを魅せてくれました。「今、私は楽しんで仕事をしてる。毎日が充実してるよ」と話し、ジェームス・ブラウンの娘であるディアンナ・ブラウンさんは「ダニーおじさまは私のことを本当によく知っている人。パパはダニーおじさまを兄弟のように思っていたわ、そして彼ももちろん、父を愛していた」と述べています。

 

 

 

いよいよ完全復活というところでしたが、しかし、2015年8月のオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドの来日では、直前に体調不良で来日キャンセル。

 

 

 

齢すでに80といったところ。健康に気をつけて、健やかに過ごしてほしいものです・・・。

 

 

 

おしまい

 

 

JAY

JAY

1984年生まれのファンク・マンガ・ライター。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンを元にした「ファンキー社長」をはじめ、ファンク・ヒップホップをサンプリングした4コママンガを描き続けています。漫画アクションで「ファッキンJAYのマイルド・スタイル」を連載中。

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