こんにちは、JAYです。ソウルの帝王ジェームス・ブラウンをサンプリングしたマンガ「ファンキー社長」を描いています。
2015.05.06
第1話「ファンキー社長の就業規則」
第2話はこちら! 第1話の元ネタ解説はこちら! 小ネタの宝庫「ファンキー社長の編集室」はこちら! ...
ロバート・グラスパーのロイ・ハーグローヴ・トリビュートライブ@ブルーノートNYC
ロバート・グラスパーがニューヨークのブルーノートでおよそ1ヶ月にわたっていろんなアーティストとライブをするというので、行ってきました。
なんでも初日はヤシーン・ベイとのライブで、サプライズでタリブ・クウェリが飛び入りしてブラック・スターの曲をやったと聞きました。すごい。
僕が行ったのは2回。初回はロイ・ハーグローヴのトリビュートで、2回目はJディラのトリビュートにしました。
ブルーノートNYCについて
ニューヨークのグリニッジビレッジにあるブルーノートは日本のよりもずっと狭くて、なんか細長かったです。入口付近にバーカウンターがあり、ギュウギュウに詰めて20人くらいが座れます。
バーカウンターに座れない人は立ち見ができますが、通路の確保などを考えると10人くらいが限界だったように思います。奥のテーブルエリアは、数えてませんが100人くらいのキャパでしょうか。
なお、カウンターが30ドル、テーブルが45ドルでした。それぞれサービスチャージが5ドルくらいかかるのですが、それでも日本にロバート・グラスパー・エクスペリメントが来たときは9400円だったので、倍ですね。快適度が低いとはいえ、納得せざるをえません。
ドリンクはビールが9ドルからで、カクテルになると15ドルくらいでした。料理も日本と同じような感じのものがありました。
ロイ・ハーグローヴについて
ロイ・ハーグローヴは、ディアンジェロやエリカ・バドゥなどがワイワイやっていた頃のお仲間(後にソウルクエリアンズと呼ばれます)の1人で、今のジャズとヒップホップ、ソウルのクロスオーバーにおいて重要な役割を果たしたトランペット奏者です。
ジャズもやりつつrh Factorというプロジェクトではヒップホップ、ネオソウル的アプローチを取っていて、リリースされたアルバムはどれも名盤。ぜひ聴いてくださいね。
しかし、大変残念ながら2018年の終わりごろ、腎臓の病気で亡くなってしまいました。49歳、あまりに早すぎる逝去に多くの人が衝撃と悲しみを禁じ得なかったと思います。
それから1年を経ないうちにグラスパーがこの聖地と呼ばれる場所で追悼ライブをするというので、迷わずこの日のチケットを選びました。
静謐な雰囲気の中でのライブでした
今回の一連の企画は、どのライブも1日に2セット予定されていたので、1stセットに行ってみることに。
18:30開場、開演は20:30。とのことでしたが、実際に始まったのは21:00を回ったころ。それまではふつうにBGMが流れていました。90s〜00sのジャズネタ使ったヒップホップとかが中心でした。
カウンターに座っていると、高齢のマダムが立っておられたので席を譲ることにしました(どうせ演奏が始まったら立って聴きたくなるしな、というのもあり)。大変に気品の漂う方で、「お礼に一杯いかが?」なんて言ってくださったのですが、あいにく体調が悪かったので遠慮さしてもらいました。
グラスパーを筆頭にバンドメンバーたちがスタスタとステージに現れて、言葉少なにライブスタート。
最初の曲、ちょっとわかりませんでした。というか、実をいうとrh Factorの曲以外はわからなかったんですよね。いわゆるジャズっぽい曲(階段を上り下りするみたいなウッドベースに、ハイハットがシャンシャンなる感じ)と、それから変拍子の複雑なリズム(来日時にエクスペリメントでやっていたような)の曲が多くて、音楽に乗るというより技術に唸るって感じでした。
しかし、2曲めでサックスのテラス・マーティンが現れてから演奏されたrh Factorの「Juicy」は、スムースで美しく、良かった。シンガーのレニー・ニューフビル(Renee Neufvill)も来ていたので、しっとりとムーディに歌い上げていました。オートチューンも駆使して、「Black Radio 2」あたりのグラスパー感がとても出ていましたね。途中でシャーデーの「Sweetest Taboo」のリリックを織り交ぜて歌っていたり。
MCもほとんど無く、静謐な雰囲気でライブが進みます。
ジョージ・クリントンとエディ・ヘイゼルが書いて、ディアンジェロがフィーチャーしていた曲「I’ll Stay」が演奏されました。原曲のディアンジェロっぽさよりも少しクリーンなアレンジでしたが、素晴らしかったです。演奏前に、ジョージ・クリントンへの賛辞も述べていましたね。
ライブはおよそ90分ほど。アンコールの慣習もないので、演奏を終えた彼らは拍手の中、簡単な挨拶だけを済ませて去っていきました。