こんにちは、JAY(@f__kinjay)です。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンをサンプリングしたマンガ「ファンキー社長」を描いています。
2017.11.05
ファンキー社長まとめ読み【1話〜10話】
第1話「ファンキー社長の就業規則」 第2話「ファンキー社長の社歌斉唱」 第3話「ファンキー社長の...
ジェイムズ・ブラウンの育った土地を見てみたいという思いから、2015年9月にアメリカ南部(ジョージア州)を弾丸旅行してきました。かなり長い旅行記、全5回あります。少しでもジョージアの風を感じてもらえたら嬉しいです。
オーガスタの風が恋しくて…せっせと始める旅支度
旅を思い立ったのは6月。飛行機の残席には余裕あり、さっそくネットでチケットを確保しました。アトランタへの直行便(デルタ航空)、往復で15万円。シルバーウィークだったけれど、これが相場に比して高いのかどうかはわかりません。
旅に出る前に済ませておいたことをカンタンにまとめました。
まずはwifiレンタルの予約。6日間で7500円で、出発当日に成田のカウンターで受け取れる楽ちん仕様。
海外旅行保険にも加入しました。保険のことは無知なので、検索で適当に引っかかった損保ジャパンの「Off!」というサービスを利用しました。細かいことはわからないけど、こんな内容。
あとは旅先の土地や行き方を調べたり、向こうで使う名刺をシコシコと制作したり、そんなもんでした。
出発前に、JBバンドのギター、キース・ジェンキンスと出会う
2015年は「オリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド」が来日した年です。8月の来日公演の際に、縁あってバンドメンバーと話すことができました。
ビルボードライブで皆さんに会った時。写真はJB楽団の大御所ディーヴァ、マーサ・ハイ。2017年10月にも来日。
オリジナルJBバンドのギター、キース・ジェンキンスは、ジョージア州オーガスタというまさにジェイムズ・ブラウンのふるさとに住んでいます。そこで「今度、オーガスタに行きます!」と声をかけたところ「ならこのアドレスにメールしなよ。お前をジェイムズ・ブラウン・ツアーに連れ出してやるぜ」と言ってくれました。
旅が、がぜん楽しみになりました。
デルタ航空の直行便で半日のフライト
出発日の9月18日(金)。お金は、空港の両替窓口で30,000円をドルに交換しました。レートは122円/ドル。悪いですが空港だし仕方ないですね。
デルタ航空のDL094便は16時25分に成田を発ち、約12時間のフライトを経て、アトランタには同日9月18日(金)15時30分、すなわち出発時刻とほぼ同時刻に着くといいます。
デルタ航空のサービスは日本の航空会社と比べ遜色なしです。チキン・オア・ビーフと聞かれたので「ビーフ」と答えたのだけど、上記の写真のビーフの底にはあっと驚くほどにポテトが敷き詰められていました。これがデルタ航空クオリティ! イモ好きの私にはたまりません。
デルタ航空、さらにナイスなのは映画が充実していることでした。カラー・パープルやドゥ・ザ・ライト・シングなども久しぶりに見ることができてよかったです。字幕は無く、何を喋っているかは全くわかりませんが。
『Get On Up(ジェームス・ブラウン〜最高の魂をもつ男〜)』もラインナップに。なんと、劇中での1コマ、ベトナム慰問時の飛行機撃墜シーンはカットされていました! 細かな配慮があるものですね。
そしてイヤホンはビルボード。音質はもちろんカスすぎて楽しめたもんではありませんでした。
さすがにエコノミーですから長時間は堪えますね。狭い座席空間でしきりに身悶えを繰り返します。かくして、予定より早めの15時頃に、アトランタ国際空港に到着しました。
オリンピックよりサウスヒップホップのイメージ。そんなアトランタで夕食を
着陸前の機内で、2008年以降にESTA(アメリカ独自の簡易ビザみたいなもん)によって入国した経歴のある者は入国カード不要なのよ、ということをCAさんに言われたのでパスポートのみで入国しようとしたところ入管で「アホかお前は」ぐらいの対応をされ、列の最後尾に戻されました。悔しい! ビクンビクン。
結局、入国審査に1時間以上かかりました。
出発前に適当に予約してたホテルは、空港から電車で行くには不便なところにあったので、やむなくタクシーを使います。
ドライバーのアイリビさんはアルジェリア人です。日本人を乗せるのは初めてだが、日本はトヨタ、日産などクオリティの高い製品を作ってくれるから大好きだと言ってくれました。
祖国の政情不安のために、アメリカでもう20年以上を過ごしているのだそう。大変に陽気な人で、身じろぎするほどのオーバーアクションの彼ですが、祖国を語る目は真剣でした。「いつか必ず帰りたい。俺の故郷だからね」
ホテル着。乗車時間20分ほどで、チップを入れて35ドル(4200円ほど)くらいでした。もちろん白タクではないのですが、結構高いですよね。
細かい旅の予定を全く立ててなかったので、部屋で少し予定を練ります。眠気と闘いながら立てた旅程はこちら。
わかりづらいですね!すみません。
アトランタ(現在地)→オーガスタ→バーミングハムを経由してメンフィスに。そしてアトランタに戻る・・・といった旅程です。
予定を立てたので、食事を取るために街に出ることにします。エレベータでシェフに会い、「ソウル・フードなら1階のレストランで出すから来いよ!」と言われたけど、街に出たかったので適当に流してしまいました。ソーリー。
フロントでタクシーを呼んでもらったものの、20分ほど待っても一向に現れない! 仕方なく、徒歩で最寄り駅まで行くことにしました。
日が長いのでまあまあ明るいのですが、時間は20時を回っていました。近くは大学などもあったので治安は大丈夫かと思ってたのですが、実際に歩いてみると歩行者はいないし街灯も少なく、歩道の舗装があまりされていなかったりでかなり不安になりました。
浮浪者もけっこうフラフラしていて、声をかけられるたびに臆病な私はビクッとしますが、しかしいずれも「駅でしょ?あっちだよ」といった具合の親切で、一応は取り越し苦労で済みました。
ホテルから20分ほど歩いて、Garnett駅に到着。
アトランタの鉄道は「MARTA」と呼ばれています。MARTAの乗車は、ICカードを購入してチャージし、それを改札口にピっと当てる仕組みです。切符は一律2.5ドルで、多用する人向けに1Dayパスとか1Monthパスとかがあります。
まずは中心街と言われているfive-Point駅で降りてみます。しかし外に出ると…大きなオフィスビルが立ち並んでいるのに、薄暗く不穏な印象。私が南部の主要都市に抱いていた賑やかなイメージは音もなく崩れ去りました。
適当な店に入ろうと思っていたのに、店自体がないのです。なんか、マクドナルドとかTeriyaki屋みたいなファストフードだけで、酒も飲めません。
ニューヨークみたいなのを想像してたので、けっこう呆気に取られてしまいました。と同時に、日が沈んだ路地を一人で歩いている状況が急に不安になります。周囲を見ると、トロンとした表情でウロウロしてる人々も増えてきました。
怖くなったので、隣のPeachtree Centerという駅に移動することにしました。
アトランタは「フーターズ」発祥の地です。ちょっと前に日本にも進出してきて話題になっていた、店員さんが露出の高い衣装を着て接客するレストランです。そこなら飲めるかな…と思い、駅からも近かったので行ってみました。
…しかし、なんか思ってたのと雰囲気ちがいます。200名くらい入りそうな広い店内に、まばらなお客さん。店内テレビでアメフトやってて、みんなそれを観ています。すごく静かで、女の子の店員も日本のフーターズみたいなエンターテイメント的な接客はしません。
客層はさまざまです。私が掛けたカウンターの隣では黒人男性のちょいナードっぽい感じの二人組が掛けてて、かなりオドオドしながら注文していました。
頼んだのはチキン・ウイングス。15種類ものスパイスから選べるということで、とりあえずケイジャンをチョイス。あとはクルクルポテトと、ビールも。
ビールはローカルビールで、銘柄は忘れました。爽やかな甘味のある口当たりのよいビールで、いかにもアメリカなサイズのジョッキで出てきましたが、無事に完飲。しめて25ドルくらい。安くはないですが、ジャンクで美味しいです。
22時半くらいにチェックして、流しのタクシーを拾います。
今回のドライバーはバングラデシュ人(ほんとに多様な人種がいる!)で、話すといきなり私の宗教を聞いてきました。
「神道だよ」というと「ホワット? ブッディストではないのか」と言われ、「ブッディストでもある。奇妙なことに、日本では2つの異なる宗教が混じっているのよ」と答えた。彼は「ふーん」って感じで聞いていたけど、疲れと酔いでそれ以上会話ができませんでした。
ホテルまでのタクシー代、なんと50ドル。高いなあ、白タクだったかな?それとも深夜割増?
JBバンドのギター、キース・ジェンキンスからのメール
ホテルに着くと、キースからメールが来ていました。
「JAY、お前は9/19にオーガスタに来るんだよな。残念なことに、おれは19はライブでフロリダに行ってる、9/20の晩にオーガスタに戻る予定だよ。もしお前がそのときまでオーガスタにいるなら、どうにか時間をつくれるようにするよ」
えっ…
さっきホテルで立てた予定だと、19日オーガスタ、20日はメンフィスにいます。でもキースに会うためには20日にオーガスタにいなければなりません。せっかくだからキースには会いたい。
そうして立て直した予定はこれ。
やっぱりわかりづらいですね。
最初にメンフィス→オーガスタ→最後にアトランタに戻って帰国、という流れ。
バーミングハムへの立ち寄りは泣く泣く諦めました。人種差別、キング牧師、公民権運動・・・それら歴史を知る上で欠かせない重要な街なのだけど・・・。
すでにすべての移動バスを予約していたのですが、キャンセルや変更が必要でした。しかしやり方がわからなかったので、とりあえず今晩は寝て翌朝にバスステーションで聞いてみることにしました。
というわけで南部到着の初日はわりと敗北感に満たされました。先が思いやられます。