第25話「ファンキー社長のエンジェルたち」【元ネタ解説】

読みもの

 

ここではネタばれというかネタばらしとして、マンガの中で使っている元ネタについてちょっとお話しします。今回は第25話「ファンキー社長のエンジェルたち」です。

JB楽団の中でも特に有名なディーバ(歌姫)3名を取り上げました。
「Think」が超有名なリン・コリンズ、ボビー・バードの妻でありJBをしてアレサ・フランクリンに並ぶシンガーと言わしめたヴィッキー・アンダーソン、そして生前はオーサカ=モノレールによって来日公演も果たしたマーヴァ・ホイットニーです。

もちろんJB楽団には彼女ら3名のほかにもアンナ・キングやマーサ・ハイ、イヴォンヌ・フェアなど個性豊かなシンガーたちが在籍していました。

 

消費者金融CMの金字塔となった「レイクエンジェル」

 

JBズエンジェルの元ネタは、AKBヲタでもあるマックG監督の「チャーリーズエンジェル」…ではなく、同時期に消費者金融のレイクが放ったパロディCM「レイクエンジェル」です。

 

 
 
 
 

「これ欲しい!絶対コレ」
チーン「大ピンチ」

女性にせがまれて身の丈以上の買い物をするために街金で金を借りるという、まさにダメの典型みたいな金の借り方をする男性のサガを描き切っています。

この俳優の表情と、ムカつくぐらいマッチした吹き替えの挟み討ちで、高校生だった自分はツボというツボを滅多打ちにされました。結果として、学校で「レイクのCMが面白い」と主張して回っては共感を得られず「キモい」と認定されることになってしまったのです。

マネキンに扮していたレイクエンジェルは抜群の運動能力を活かして「レイク」の人文字をつくります。やってみるとわかるのですが「イ」だけでなく「レ」「ク」もかなり難易度高いです。腹筋や背筋などはもちろん、柔軟性も要求されます。

今はパーリーピーポーパーリーピーポー、聞いただけで頭が痛くなるようなCMに成り下がってしまいましたね。あのCMでウケてる層はおそらくAKBヲタでしょうから、レイクエンジェルの元になったチャーリーズエンジェルの監督でありAKBヲタであるマックG氏に対する謝意なのかもしれない・・そんなわけないですね。グッゴ。

 

3者3様。あなたはどのエンジェルが好き?

 

1972年にジェームス・ブラウンのプロデュースでリリースされ、後にサンプリングネタとしても定番化する大ヒット作となった「Think」を歌うリン・コリンズ。ジャズのスタンダードである「Fly Me To The Moon」も、彼女の手にかかればこうなります。

 

1965年にJB楽団に参加したヴィッキー・アンダーソン。その後は出たり入ったりをしながら、前述のリン・コリンズや後述のマーヴァ・ホイットニーとも関わっているようです。ジェームス・ブラウンが「一番うまい」と言ったヴィッキーが歌う「Man’s World」がこちらです。

 

60年代前半からそのキャリアをスタートしたマーヴァ・ホイットニー。一番有名なのは「It’s my thing」でしょうか・・・サンプリングネタとしても有名です。それと双璧をなす有名曲がこちらの「Unwind Yourself」。45Kingがサンプリングした曲はヒップホップクラシックとなり、テレビ番組なんかでも使われていることがあるので聴いたことある人も多いはず。

 

私が一番好きなのはリン・コリンズですかね〜。JBのシャウト感と似てる感じがするのと、独特のしゃがれというかスモーキーな雰囲気の漂う声色が感情をガンガン揺さぶってくれます。「Check Me Out」という75年のアルバムが、フィメール・ファンクの最高形といって差し支えない成熟ぶりと完成度を魅せてくれます。

 

おまけ

 

今回は消費者金融のCMのお話でしたが、当時、私が特に好きだったのはプロミスのCMでした。

「姫」と「爺」による掛け合いで進む同CMは、爺のダジャレに対して姫が「寒っ」と感想を述べるというもので、この姫が可愛くて、初めて見た時はこのカワイコちゃん誰だろうなどと好奇心を駆り立てられたものでした。

本記事を書くにあたって調べたところ「三田あいり」さんという方で、なんと露出度高めのイメージビデオを残している上、ヌードグラビアまで披露していたというから悶絶もの。これはさっそく確認を済ませたいところですね。

それではこのへんで。グッゴー!

 

JAY

JAY

1984年生まれのファンク・マンガ・ライター。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンを元にした「ファンキー社長」をはじめ、ファンク・ヒップホップをサンプリングした4コママンガを描き続けています。漫画アクションで「ファッキンJAYのマイルド・スタイル」を連載中。

こちらもどうぞ

こちらもおすすめ

TOP