【ネタばれ】第21話「ファンキー社長の土用の丑」
2018/03/11
ソウルの帝王ジェームス・ブラウンをサンプリングしたマンガ「ファンキー社長」のホームページです。
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ここではネタばれというかネタばらしとして、マンガの中で使っている元ネタについてちょっとお話しします。今回は第21話「ファンキー社長の土用の丑」です。
元ネタもクソもないかもしれませんが、これはナマズのお話ですね。
以前わたしがキャットフィッシュフライ(ナマズのフライ)を作ってフライドチキンからクリスマスの主役の座を奪い取ろうと画策したもののアップ日を間違えてクリスマスの夜中に設定してしまい全く野望を果たせなかったときに登場した、あの食用ナマズのことです。
食用ナマズ(キャットフィッシュ)は近畿大学によって開発が進められ、2015年にはウナギと同じような味わいになるまで品質を上げることに成功しました。
その時事ネタを盛り込んだのがこのお話ですね。映画「ジェームス・ブラウン〜最高の魂を持つ男〜」でも、キャットフィッシュフライにピリ辛ソースをかけて食べるJBの姿が描かれています。「パパズ・ガット・ア・ブランニュー・バッグ」のBGMに合わせて新しいショウビジネスの構想を説くブラウン氏の姿にしびれますよ。
なんべんも言ってるような気がしますがキャットフィッシュは南部の「ソウル・フード」の一種として日常的に食卓に上がります。
ブーツィ・コリンズの兄がキャットフィッシュ・コリンズと名乗っているのは、ナマズに顔が似ているからです。
しかし、わたしが実際にアメリカ南部に旅に出て現地の人にソウル・フードのことを聞いてみたところ・・・
「おれは食わねえよ。脂っこいし、体に悪いじゃん」
という答えが返ってきてかなり戸惑いました。
確かにソウル・フードの扱いは一種の観光客向けの名物みたいな感じになっており、今でも本当に地元の人たちにとっての日常食なのかは判然としませんでした。
なんというか、大阪への観光客はみなさん串カツをお召し上がりになりますが、現地の人はあんまり食べない・・・みたいなのと似ています。
そういえば、アメリカ南部で出会った人たちはナイジェリアの人、バングラデシュの人など、外国からの移住者が多かった。
つまり日本でいうところの「大阪の人はいつもタコ焼きやらお好み焼きやらを食べている」みたいなステレオタイプが全く当てはまらないのでしょう。
「南部の人はいつもソウル・フードを食べている」という式は成り立たないほどに、その食生活は日本と全く異なるスケールでバラエティに富んでいるものと思われました。
かくいうわたしは大阪の人間ではありません。偏見に富んだ物言いに気分を悪くされた方がおりましたらお詫びします。
そういえば、キャットフィッシュフライを自作したときの後日談というか余談を少し。
ラス・スーパーフライ社が販売している食用ナマズは1点を注文すると実にナマズ5切れ4切れが届きます。その重量、実に850g。けっこうな量ですよね。
そのうちの2切れをキャットフィッシュフライにしたので、2切れが残ってしまったのです。
正直に言いまして、わたしはこのナマズの味が嫌いでした。淡白で臭みもないのですが、美味しくなかったのです。
結局、長い期間冷凍庫で放置していたのを、なめろうみたいに叩いてペースト状にしたものをカレーの中にこっそりと入れられて、気づかずに食べてしまうことによって完食しました。
キャットフィッシュフライをつくろうと思われた方、ラス・スーパーフライ社のナマズは量が多いのでご注意くださいね。
バンドメンバーを一斉に解雇したJBが、遠く離れたシンシナティから呼び寄せたベーシストこそがブーツィ・コリンズ。彼のリズム感と演奏能力をとにかく気に入っていたというJBは、自家用ジェットの移動の際にもブーツィを同伴させて、ジェームス・ブラウンの音楽の秘訣・・・「ザ・ワン」についてとくとくと語ったといいます(ほかのメンバーはその説教を逃れてラッキーと思っていたそうです)。
やがてはその愛ゆえの束縛に苦しみ、ブーツィは自由を求めてバンドを離脱することになります。その後のハジけ方を見ていたら、彼の趣味がそもそもジェームス・ブラウンの統制ファンクには合ってなかったのかもなあなんて感じてしまいますね。まあ、当時の我慢あってのPなブーツィなのかもしれませんが。
そんなわけで、このマンガでもブーツィをかわいがるファンキー社長はウナギと見せかけたナマズをブーツィにオゴるのでありました。
おしまいです。グッゴ!