JB楽団の歌姫マーサ・ハイ来日!日本でのアルバムリリースも

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レディースエンジェントルメン、ファンキー社長の作者JAYです。

2015年夏に来日したOriginal James Brown Band(オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド)のサマソニ、ビルボードでのライブから3ヶ月半。

同バンドでヴォーカルを務めていた女性シンガー、Martha High(マーサ・ハイ)さんの単独来日公演が、この2015年11月29日に実現しました。仕掛人は日本を代表するファンク・バンド、オーサカ=モノレールのリーダー中田亮さん、今回のバックバンドもすべてオーサカ=モノレールが務めました。

場所は新宿のKENTOS(ケントス)。こちらは70〜80年代のオールディーズを中心としたバンド演奏とともに食事とお酒を楽しめる、一時は全国に店舗を展開していた大変に雰囲気よきライブハウスです。

新宿ケントス

 

 

ダニー・レイをサンプリングしたオープニングMCから避けられぬ興奮

 

オーサカ=モノレールの公演では、冒頭バンドメンバーのみがステージに上がりインストゥルメンタルを演奏します。場の温度が温まってきたあたりで中田さんが現れるという演出がなされるのですが、今回の主役はマーサさんとあって、初めから中田さんもステージに立っていました。

そしてオープニングの演奏が終わると…「レイディースエンジェントルメン、イッツスターオブショウ…」とマイクを手に、あのダニー・レイをサンプリングした名調子を披露してくれるではありませんか。

この演出はアガらずにはいられません。なにしろオーサカ=モノレールによるダニー・レイのサンプリングといえば、日本語ヒップホップの伝説的ユニット「ブッダ・ブランド」の傑作アルバム「病める無限のブッダの世界」のイントロにおいて、まさしく中田さんによって演じられているからです。前方のテーブルにも関わらず、後方の方に申し訳ないと思いつつ立ち上がるほかありませんでした。

そして「マァーーーーサ・ハァーーーイ!!」というシャウトとともに、マーサ・ハイ登場!

向かうスポットライト、上がる歓声。

私も興奮のるつぼに飲み込まれ、ここからはじまる夢の時間に胸を躍らせていました。

ですが一方で、冷静にこういうことも考えていました。

 

Martha High(マーサ・ハイ)

 

そうです。前回来日時からわずか3ヶ月半で、圧巻の髪型の変化でした。

正直、はじめは興奮しつつもこの変化がけっこう気になっていたのでした。

 

ラリーに負けじとこちらも現役!安定のソウル・シンギングで会場をロック

 

同月に来日したラリー・グラハムが前かがみで畳み掛けるように急襲してくる張り手ファンクなら、こちらのマーサ・ハイとオーサカ=モノレールは重心を据えて安定感抜群。マワシを取ってもビクともせず一瞬のスキをついて土俵の外へと放られてしまうような貫禄のファンクでした。

マーサさん、かつてジェームス・ブラウンの元にいた頃の同僚たち・・・リン・コリンズ、マーヴァ・ホイットニーのカヴァーや、ご自身のヒット曲・・・「This Is My Story」「He’s My Ding Dong Man」も披露してくれました。

声量、声の伸び、美しさは非の打ち所がない! 年齢を感じさせないフレッシュネスに驚きを隠せません。

なにより、本当に、気持ちを込めて歌っているんです。私たち一人ひとりに、歌に込めた思いが届くように…。

客席へ向けて指をさします。「これが、私の(あなたの)物語なのよ…」と。時にはマイクを渡され、1フレーズ絶唱する観客もいました。

ほかの観客も、たとえバラードであろうともその底流にあるソウルに乗せて体を揺らし続けます。

夢の時間は、あっという間に流れてゆきます。

 

マーサ・ハイとオーサカ=モノレール、アルバム制作を発表!JBファンク再び!

 

そして今回のハイライト。やはり、ここでしょう。

中盤、中田さんからの発表。

なんと、オーサカ=モノレールをバックに据え、マーサ・ハイの日本初のアルバムリリースが予定されているとのこと。

会場中で歓喜と祝福の拍手。きっと誰もが、衰え知らずの素晴らしい歌声をもつこのファンキー・ディーヴァの音楽をアルバムで聴けることに心震えたはずです。

この発表の最中に感極まったマーサさん。堪えきれなくなった涙を拭いながら喜びと感謝を伝えてくれました。

齢70。まさか日本でアルバムを出すことになるなんて、マーサさんも多分そんな未来を予想したことはないんじゃないでしょうか。これで従来よりも遥かに、日本でマーサ・ハイの名を知る人は増えることでしょうね。

そしてこのアルバムプロジェクトを現実のものとしてしまう、中田さんの仕事の尊さよ…

マーサ・ハイさんとのアルバムは、オーサカ=モノレールにとっては2006年のマーヴァ・ホイットニーとのアルバム以来、JBディーヴァ・コラボアルバム・シリーズ(勝手にそう呼びました)第2弾。

こうした尊い仕事を目で見て、耳で聴くことができるのは、はなはだ幸せの限りという思い。リリースを心待ちにしたいところですね。

 

マーサ・ハイとJAY

左側のチェックシャツの男が、マーサ・ハイにサインをいただく私です。

 

追記(2017年8月)

この初来日から2年弱。マーサ=ハイの再来日が決定しました。未だ発売に至っていないアルバムも、ちゃんと進んでいるもよう。ちなみにマーサさん、クラウドファンディングで自伝も出版したそうです。

 

それではグッゴー!

マーサさんをサンプリングしたマンガはこちら!

 

JAY

JAY

1984年生まれのファンク・マンガ・ライター。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンを元にした「ファンキー社長」をはじめ、ファンク・ヒップホップをサンプリングした4コママンガを描き続けています。漫画アクションで「ファッキンJAYのマイルド・スタイル」を連載中。

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