第3話「ファンキー社長のコール・アンド・レスポンス」【元ネタ解説】

読みもの

 

ここではネタばれというかネタばらしとして、マンガの中で使っている元ネタについてちょっとお話しします。今回は第3話「ファンキー社長のコール・アンド・レスポンス」についてです。

 

 

 

ライブの悶絶度を上げるコミュニケーション「コール・アンド・レスポンス」

 

第3話「ファンキー社長のコール&レスポンス」

コール・アンド・レスポンス。ライブにおける掛け声の応酬のことです。

 

「ノッてるか〜い?」「イエーイ!」とか「最高ですか〜?」「最高で〜す!」とかもコール・アンド・レスポンスと言えますね。

 

第2話で出てきた「セイ・イット・ラウド…」という曲でも、サビ部分の「Say It Loud!」「I’m Black and I’m Proud!」はコール・アンド・レスポンスでできています。

 

アーティストと聴衆がコミュニケーションし、会場の一体感が増すことで悶絶度が上昇するという定番の手法です。

 

今回マンガの中に引用したのは、「I feel Alright(アイ・フィール・オールライト)」という曲です。

 

1968年リリースの「Live at the Apollo (ライブ・アット・ジ・アポロ)vol.2」での「There was a Time(ゼア・ワズ・ア・タイム)」から繋げて演奏される同曲。

 

延々と続くワンループの演奏の中で、ジェームス・ブラウン氏が声を投げかけます。

 

「ヘイ、ヘイ…アイ・フィーオーライ、ワンタイム! ハッ!」

 

ちなみに「ハッ!」と言ってるのはジェームス・ブラウン氏本人です。自分でもレスポンスしています。

 

ほかのメンバーは楽器演奏で応えます。

 

観客もブラウン氏の呼びかけに応じ、「ハッ!」や手拍子などを返している様子が聴こえますね。

 

3〜4分に及ぶコール・アンド・レスポンスが終わったところからThere was a Time(ゼア・ワズ・ア・タイム)のテーマに戻る展開がまた悶絶間違いなし。

 

もちろん1000回のコール・アンド・レスポンスをさせたというような事実はありません。

 

なお、「I’ts a mother」というアルバムでも、これと同じ曲を聴くことができるようです。こちらではタイトルが「The Little Groove Maker Me(ザ・リトル・グルーヴ・メイカー・ミー)」になっています。

 

余談ですが、この「Live at the Apollo vol.2」のリリースも、前回のネタばれで話した1968年のリリースなんですね(ライブ自体の開催は1967年ですが)。このアルバムは「Live at the Apollo vol.1」に続くアポロ・シアターでのライブ録音盤ということで、ジェームス・ブラウン氏の代表的な作品のひとつです。

 

たった一年の中に、どれだけ濃密な出来事が詰まっているというのでしょう。感嘆しきりです。

 

おまけの話

 

この回では、本作品の完全オリジナルキャラクターである「オレンジくん」が初めて楽器を持っています。

 

パートは「小太鼓」。これは作者のファッキンJAYがまだ幼稚園児だった頃、マーチングの行事で小太鼓を叩いたというおぼろげな記憶に由来しています。

 

まあ、ただそれだけです。

 

 

 

JAY

JAY

1984年生まれのファンク・マンガ・ライター。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンを元にした「ファンキー社長」をはじめ、ファンク・ヒップホップをサンプリングした4コママンガを描き続けています。漫画アクションで「ファッキンJAYのマイルド・スタイル」を連載中。

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