ファンキー社長

ソウルの帝王ジェームス・ブラウンをサンプリングしたマンガ「ファンキー社長」のホームページです。初めての方は1話から読んでみてください。

【ネタばれ】第22〜24話「ファンキー社長のライブ・アット・ジ・アポロ」

      2016/04/09

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ここではネタばれというかネタばらしとして、マンガの中で使っている元ネタについてちょっとお話しします。今回は第22話〜24話「ファンキー社長のライブ・アット・ジ・アポロ」です。

 

ライブ・アット・ジ・アポロ

 

 

ライブ・アット・ジ・アポロというとジェームス・ブラウン氏の代名詞的なアルバムかもしれませんね。

 

 

リリースされてるのは全部で4枚(※)。リリース年でいうと、63年、68年、71年、95年となります。

※2016年にもう一枚発表されました。後述します。

 

 

 

ここでも触れてます。ジェームス・ブラウンはお客さんに、自分のショウを特別なものだと感じて欲しかったといいます。そのためメンバーはもちろんのこと、会場の受付や豆売りのボーイまで専用の衣装を用意したのだそうです。徹底したお客様志向には舌を巻かずにいられませんね。

 

 

では、ここで問題です。

 

 

これら4枚のライブ盤すべてに登場している曲は何でしょう?



 

 

正解は、「Try me」。ジェームス・ブラウン氏の中でも屈指のバラード、映画「ジェームス・ブラウン〜最高の魂を持つ男〜」でもドラマティックにラストを飾る名曲です。

 

 

氏が何十年も歌い続けてきたこの曲を聴き比べてみると、それぞれ全然違ってて面白いですよ。

 

 

時期別「Try me」聴き比べ

 

 

まず初めは63年(収録は62年)のLive at the Apolloの「Try Me」から。曲の始まりから次第にBPM(テンポ)が上がっていきます。ベースがいい感じに響き、観客の嬌声もかなり入り込んでいます。これが噂の自腹録音です。

 

 

若さゆえか録音レベルゆえか、ジェームス・ブラウン氏の歌声はわりと軽めに聴こえます。かすれて情感溢れる声はすでに確立されてますね。ここには貼れないのでAmazonあたりで購入して聴いてみてください。

 

 

ちなみに同時代でヒットしたのはBooker T&the MG’sの「Green onions」など。これ聴くと、なんだBooker Tまじファンキー、なんて感じてしまいますね。

 

 

 

68年、こちらはジェームス・ブラウンのヴォーカルが一番ねっとりしています。思いっきりタメを作って歌います。まさしく「トライ・ミー」っていう懇願するかのような感情が音程の細かな震えに滲み出ています。演奏のほうもストリングスのような楽器が混ざっていて非常に優雅でうっとりするように聴かせてくれます。コーラスは控えめです。

 

 

この時期はすでに「Out of sight」も「Papa’s got a brandnew bag」も世に出ている時期なのですが、このショウでは歌われておらずFUNKの胎動を感じるにはちょっと物足りないかもしれませんね。

 

 

お次は71年。「Revolution of the mind」という主題が冠されたこちらのライブ盤で歌われている「Try me」は、やはりJBファンク全盛期とあって歌声は非常に土臭く力強さを感じます。

 

特徴的なのは最初の「タァァァイ、ミィィ」でしょう。舌で上アゴを弾いて「t」を発音する、その強さがほかの追随を許さない強さです。

 

 

また、JBファンクを特徴づけるギターのカッティングやオルガンでアレンジされており、ドラムもかなり跳ねてリズム豊かに刻んでいます。JB自身のシャウトもふんだんに盛り込まれ、しっとりバラードなトライ・ミーのイメージとは違った一面を見せてくれます。曲の後半ではドラムもタイトになってくる、ファンクバラードに生まれ変わりました。

 

 

 

最後に、95年ライブ盤の「Try me」は、イントロではJBによるMCから。これまでは男性によるコーラスだったのが、女性が中心になってますね。

 

 

 

当たり前ですが加齢のためJBの声の印象が大きく違います。しかし衰えというよりは、圧倒的な貫禄という感ですね。

 

 

演奏は80年代のディスコを通り過ぎ、エレクトロファンクやHIP HOPの影響を色濃く受けたゴージャスで厚みのあるサウンドに。反面、全盛期の緊張感やタイム感は失われているように感じますが、なんだかあまり元気が出ないような日にはこちらのほうが気軽に聴けたりもします。

 

 

95年盤ではJBを再びスターダムに押し上げた「ロッキー4」挿入歌の「Living in America」も歌われます。スタジオ録音と遜色ない安定感です。

 

 

おしまい

 

 

というわけで、JBのアポロ歴を4つの「Try me」から振り返ってみました。

 

 

 

ちなみに先日アマゾンの配信で「Get Down With James Brown: Live At The Apollo Vol. IV」がリリースされました。さらにはレコード・ストア・デイにて限定でアナログ盤もリリースされるというニュースがありました。

 

 

 

こちらは1972年のアポロでのライブを収めた盤ですが、聴いてみるとほとんどJB’sの曲ですね。この時期のJB’sといえばイナタくてイナタくて震える悶絶不可避の絶頂期ですから、間違いないです。ただ「Try me」は入っていないのですが。

 

 

 

ということで、先にリリースされてたはずの95年のライブ盤は、自動的にvol.5に繰り下げになってしまうのでした。

 

 

おしまい

 

 

 

 - ファンキー社長の編集室