JB楽団の歌姫マーサ・ハイ2017来日ツアー&新アルバム発売!

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こんにちは、JAY(@f__kinjay)です。

ソウルの帝王ジェームス・ブラウンをサンプリングしたマンガ「ファンキー社長」を描いています。

 

2015年以来2年ぶりの来日となった、ジェイムズブラウンバンドのベテランシンガー、Martha High(マーサ・ハイ)さんの来日公演withオーサカ=モノレールに行ってきました。

(2年前の来日ライブの回想はこちら)

 

マーサさんはジェイムズ・ブラウンの楽団で実に30年以上、主にバックコーラスとして歌っていました。あのハードな環境で長年やっていたとは思えない(あるいは、やっていたからこそ)ような、謙虚で温かくて素敵な方です。ジェイムズ・ブラウンのドキュメンタリー映画「ミスター・ダイナマイト」でもインタビュー映像があります。ジェイムズ・ブラウンの喋り方を真似しているのですが、かなり特徴を掴んでいてウケます。そんなユーモアもある人なのです。

 

ライブ会場は、テーブルと椅子のあった前回とうってかわって、代官山UNITでのスタンディングでした。私が到着したころにはフロアは満員! 残念ながらオープニングアクトのブギー・トレイン、黒田さんのDJには間に合わず…聴きたかった。

 

オーサカ=モノレールの前奏から元気に登場Martha High

ライブはオーサカ=モノレールによる演奏から始まります。1曲め「Riptide」、いいところでホーンがバッと鳴るアレンジがカッコ良かったです。

 

3曲の演奏ののち、マーサさんが現れました。

マーサさんはけっこう頻繁に髪型が変わるのですが、今回は坊主です! 似合ってる。

マイクまでゆっくりと歩を進め、最初の発声。

観客のみなさん、まずはその声の「圧」に打ち震えたのではないでしょうか。

もはや年齢の話をするのは無意味ですね。若手の衝動にも引けを取らない、かといってベテランの貫禄というにはあまりにもアグレッシブな、力強いソウルが宿った歌声を聴かせてくれました。

「喉痛かったけど大丈夫だわ」

自身の曲「Showdown」から始まり、「ゲラッ!!」ていうところもパワフルで完璧な発声で気持ちよかったです。

 

演奏されたのは、ジェイムズブラウン楽団のディーバたちの曲が中心でした。詳細なセットリストは、ソウル評論家の吉岡正晴さんがまとめてくれています

 

Big paybackのアウトロでコール&レスポンス

「Paybackって曲があるでしょう。で、Big Paybackって曲もあるわね。その違いは…」

といって、歌う前に曲名の違いの理由を説明してくれました。けど、英語が聞き取れずわかりませんでした! 誰か教えてください。誰がコーラスやってたかによって違うとか、そういう話だったのか?

で「Big payback」がマーサのバージョンなんだそうです。

 

アウトロに入ると、マーサが観客を煽り立てます。コール&レスポンスです。
martha high

martha high2

martha high3

 

Ring My Bell VS Ding Dong Man

マーサさんはリン・コリンズやマーヴァ・ホイットニーなどと比べてソロ作品が少なかったのですが、初めてのソロアルバム「Martha High」を1979年にサルソウルからリリースしています。このアルバムの収録曲の中から、ジェイムズブラウンのプロデュースによる「He’s My Ding Dong Man」を歌ってくれました。歌いながら、こんな説明を始めるマーサさん。

「Ring My Bellって曲はわかる? この曲は…あれと同じなのよ」

 

「Ring My Bell」はAnita Wardの1979年作ディスコクラシックですね。

この2曲はサビのコード進行が同じでとても似ているのです。想像するに、ジェイムズブラウンが「Ring My Bellみたいなのが売れてるんだな!よっしゃ似たようなの作るぞ」て感じで作ったんでしょうか。

そしてマーサさんは、観客たちに合唱を促します。

「Ring My Bellは女の子!Ding Dong Manは男の子!さあ、歌って!」

 

交代ごうたいで、男女に分かれて合唱対決です。声が小さいと、マーサ先生による「聴こえないわよ!」という檄が飛んできます。

お客さん、前も後ろも声を出して歌っていました。

何巡かサビを往復したところで「Ladies won!!」というマーサさんの審判が下り、男性の私は敗けてしまいました。

 

新アルバム「TRIBUTE TO MY SOUL SISTERS」

72歳と思えない声量、音程、リズム感、揺れる体が常に裏でビートを取ってる感じでカッコよかったです。

そんなマーサさん、ニューアルバム「TRIBUTE TO MY SOUL SISTERS」が2017年11月18日に発売されました。

このアルバムリリースの実現には、万感の思いがあります…というのも、2年前の2015年11月に来日したときに、このアルバムの制作が発表されていたからです。実に、2年ごしのプロジェクトだったわけです。

そのとき、マーサさんは「好きな日本でアルバムの話が出て幸せなこと」と言って、泣いてたんですよね…。実現して本当に嬉しい! ライブ会場で先行発売された同アルバムの輸入盤、アナログで購入しました。先に述べたとおりマーサさんはソロ作品が少なかったのですが、2000年以降になってあちこちから声がかかり数枚のアルバムをリリースしていて「今がまさにキャリアの全盛期」とオーサカ=モノレールの中田さんが話していました。日本で言うと定年後なんですけどね! 素晴らしいの一言に尽きますね。

今回のライブはマーサさんの圧倒的な存在感が完全にメインになっていて、オーサカ=モノレールがそれを見事に引き立てていました。想像ですが、2年間に及ぶ交流の中でコミュニケーションがかなり取れてたんじゃないでしょうか。お互いの呼吸がわかっていたというか、すごく充実感に満ちたステージングだと感じました。個人的にはトランペットのお二人(山懸さん・淡路さん)の演奏に特に痺れました。すごくタフな音を鳴らしていて興奮しましたね。

マーサさんのヒストリーについては、オーサカ=モノレールの中田さんがブログで超詳細に解説されています。すごい情報量! ぜひ御覧ください。

マーサ・ハイ物語(今のところ4記事+番外編)

では。

 

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↓前回来日公演のレポート。

↓若き日のマーサ・ハイがモータウンに行ったら閉まってたというエピソードを元にしました。

 

JAY

JAY

1984年生まれのファンク・マンガ・ライター。ソウルの帝王ジェイムズ・ブラウンを元にした「ファンキー社長」をはじめ、ファンク・ヒップホップをサンプリングした4コママンガを描き続けています。漫画アクションで「ファッキンJAYのマイルド・スタイル」を連載中。

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